外国語で会話する時に気をつけねばならないのは
言葉の裏と表でございます。
この裏というのは「言葉の真意・弦外の音」という意味じゃぁありません。
言葉を
話し手の側から見たのが裏
聞き手の側から見たのが表でございます。
外国語が,まだ十分で無い時期に
裏地は素晴らしくキレイだが表からは,
すこぶる稚拙という事が起こりやすくなります。
具体的に申し上げますと
本人は丁重に申し上げている【つもり】でも
使う言葉が【最小限レベル】で稚拙てな場合がこれなんざますが
この段階で,裏地の美しさが表しか見えない人にも
通じるていると誤解してしまう方を,時々お見受けします。
話し手と聞き手の関係が深まり
信頼関係が生まれれば,まずい表にも拘わらず
美しい裏地が,そこはかとなく見えて来たりもするもんですが,
大抵の聞き手は,まず,表の感触を
第一印象として強く認識するものでしょう。
お人柄が良く,全てを極力,良い様に理解しようとされる聞き手は
決して少なくありませんが
「話し手は外国人だから大目に見ましょ」等と
考慮する聞き手は実は稀なほうなんでございます。
これをお読みのあなた,
「外国人だから」と覚悟していたのに
言葉だけで,いやぁな感情が湧き上ってしまったこたぁありゃしませんか?
たとえば,上海の空港。
日本人の旅行者が多いので,セキュリティの係員達は
簡単な日本語を用います。
ところが,それが,全く敬語抜きでしてね....。
これは,また後日,書きますが,
そもそも日本語の敬語と中国語の敬語は
全く違った使われ方をするもんでして
日本の方も気付かずして中国で無礼な言動を
とられている事も少なくないので,これは,お互い様。
けれども,
「中を開けてください」
「台に上がってください」
の代わりに
「あけて」
「あがって」
なんぞ言われた日にゃぁ....
いえね
中国語であったら,この状況では
むしろ「開けろ,あがれ」ってな命令形に
「直訳」できうる表現を使うのが普通であって,それは
中国語話者には「命令」という印象を与えるものではない....
なんぞと
中国語的な感覚としては
納得できるんざますよ。
けれども
日本語だったら,まず
日本語的感覚でうけとめるのが自然の摂理。
こんな粗末な日本語じゃぁ(「命令形」でさえないのに)
なんだか,飲まされた白湯に砂がざらざら入っていたような気に
なって仕舞うのが人情ってもんじゃぁありませんか。
外国語を話す時は,まず
良い話し手の言葉を真似,おさらいして,
華美ではなくとも,表裏とも心地好い手触りの
会話を目指したいものと,つくづく思います。

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