小町はん(
「映画はええがな」)より
ご紹介戴きましたイラン映画
マジット・マジティ監督
(思わずマジマジ監督と不謹慎にも縮めたくなりますが)の
オスカー外国語映画賞にノミネートされた作品
「運動靴と赤い金魚」
(「Children of Heaven」「Bacheha-Ye aseman」)を
ゆつべにて発見、全編、拝見いたしました。
http://www.youtube.com/watch?v=_7vYn6PHgUs
Bacheha-Ye aseman (with subtitles part 1)
www.youtube.com/watch出て来る子役が、もう、可愛いのなんのって
主人公の家庭設定が貧乏なんですが
(靴が一足しか無く、無くしても買うお金が無いくらいの貧乏度)
それを深い感慨を与えながらも決して暗くさせない
そんな輝きがあるんです。
そして、何より、その輝きを失わせずに描く、この巧みさ。
貧乏は嫌だっ、大嫌いだっ、なんで貧乏人は
ここまで苦労せにゃいかんのだ、不公平だっという
怒りや哀しみの波にもまれる寸前で、
子ども達の純真さ、兄妹愛、親子愛、師弟愛
近所の大人から子どもへの愛の船に救われるのですが
それを、決して甘々となる事も大げさとなる事もなく
あくまでも淡々と、そして、
ちょっと目をそらすと逃してしまうような細部描写で
描ききっております。
特に、ラスト近く、お金を手にしたお父ちゃんが
買い物しながら帰る自転車の荷台,
これは、絶対、お見逃しないように。
これを見逃すと、「一体、どうなったんだろう?」
と疑問を残したまま、映画が終わってしまいます。
それにしても
貧乏ってぇ設定は,はっきりしてんですが
どうも,この家族が住んでいる所が
長屋というか中国の四合院の様な作りで
井戸端会議をするような中庭は
広々として大変美しいためか
映画には,みじめっぽさが全くありません。
よって,しんどい気持ちにはならずに
ゆったりと楽しめる映画にしあがってます。
ところで
イランを訪れた事は無いんですが,手前,
英国在住Shiraz出身の友人夫妻とご家族やら
20数年前ドイツ・ゲーテ学院での寮の仲間やら
イランの方々とは、多少の縁がございます。
英国に来る前、恥ずかしながらイランのイメージは
イランイラク戦争、ホメイニ政権
パーレビ国王亡命等々でした。
それが英国で、イラン人・イラク人のクラスメートができ
イラン人=ペルシャ人
イラク人=アラビア人
ぜんぜん違うっ違いますってのに,やっと気付いたんでございますが
イランの方というのは
ほんとうに、映画の様な穏やかな喋り方をなさいます。
特に男性の喋り方は、こう言っちゃぁなんですが
意外なほどに、やわらかいんです。
この映画の中で、主人公の妹が溝に落としてしまった運動靴を
見知らぬおっちゃんが拾ってあげる場面があるんですが
その優しい喋り方を聞きながら、
そうそう、イランの人って、ほんと、こんな感じ
等と映画の筋をほっぽりながら、しみじみといたしました。
強い親しみを感じるこの国と人々の未来が
明るくあるよう祈るばかりでございます。
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