某所で、こんなニュースがとりあげられていました。
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「わいせつ性無い」日本映画史上初“無修正”出産シーン 実際の出産シーンを無修正で上映する劇映画が10日に公開されることがわかった。映画倫理委員会(映倫)は当初、モザイク処理での上映としていたが配給会社の強い要望で再審査し、「R18+(18歳未満観覧禁止)」の指定付きで無修正公開を許可。出産シーンが無修正で上映されるのは日本映画史上初となる。
この映画は、第30回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)や釜山国際映画祭でグランプリを受賞した「無防備」(市井昌秀監督)。プラスチック工場で働く主人公の主婦が新人の妊婦の指導をするうちに自分の不幸な人生を振り返り葛藤する、という内容。クライマックスで、市井監督の妻で妊婦役の女優、今野早苗が出産するシーンが克明に撮影されている。
昨年7月、PFFのコンペティション部門に出品された際、映倫は出産シーンにモザイク処理することで上映を許可。しかし、劇場公開に伴い、無修正での上映を望んだ配給会社のエスピーオーが再審査を申し出た。
映倫は「出産シーンの審査は前例がない」と難色を示したが、年少者映画審議会も加えた全委員21人が改めて映画を観賞した結果、「わいせつ性は認められない」と判断。ただし、「大人向けの作品で極めて刺激的な出産場面」との理由でR指定とした。
エスピーオーは「修正個所がある状態での上映は本意ではない。『完全バージョン(無修正)』での上映が可能ということが最優先事項と考え、制限指定を受けた。指定を受ける作品かは多くの観客自身の目で確かめてほしい」と話している。「無防備」は東京・シネマート新宿などで全国順次公開される。
(引用終わり)
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猥褻より何より、出産には危険がつきものだと
夫妻ともに十分理解した上で、撮影を実行したんでしょうか?
お産で死ぬ人の数は、そりゃぁ昔とは比較にならないほど減って、
むしろ亡くなったら大事件というほどまで進歩してますが
それでも、亡くなられる方は、いらっしゃんですよ。
もっと多いのは、死産、そして
難産で、赤ちゃんに障害が出てしまう例で、
悲しい事に決して稀じゃぁありません。
赤ちゃんが無事に生まれて来るというのは
「当然」じゃあ絶対ないんです。
長い歴史と人々の研究/努力のすえに、やっと
「比較的、無事なお産」が、
「比較的、安全な国」では、できる様になってるってだけです。
世界的規模でみると、お産で亡くなる妊婦や赤ちゃんは
まだまだ、たくさんいるんだと、ニュースや寄付金活動が
いくらでも教えてくれてるじゃぁないですか。
英国で、妊婦に配られる「お産読本
(私の時は2回ともムック形式の厚い本でした)」には
出産の瞬間の写真も載っていましたし
(感想「見なきゃぁよかったってんだよっ。」につきましたよっ!!)
(何しろ、生むぶんには見る必要なんて、これっぽっちも無いですからっ!!!)
実際に、我が子の誕生をビデオに撮る夫もいますが
それは、全て、危険性を考慮し
何か万が一、順調に行かない点があったら
すみやかな処置の障害とならないように
と、十分、配慮された上で行われる撮影です。
よって、もし、何かあったら
撮影は即中止となりますし、それは
当然、納得の上で、撮影の準備もされているわけでしょう。
しかしながら
「映画」のクライマックスという重要なシーンに
「出産シーン」を使うという事は
難産等の理由により
撮影ができなくなったら、
映画製作自身に莫大な影響を与えるじゃぁないですか?
出産シーンが撮影できなかった場合の
「予備案/Plan B」があったとしても
映画用の撮影だの何だの、大金はかかるでしょうし
場合によっちゃ、映画自体が完成不可能に
なっちゃったりしないんでしょうかね?
さらに、もし、そんな最悪の自体となった場合
「できていない馬鹿夫」だったら
妊婦のせいだ、と言葉にしなくても思ったり
「できすぎた妻」だったら
私のせいだ、と思ったり..
純粋に子供の無事を祝うことさえ
できなくなっちゃうんじゃありませんか?
なんとか生まれても無事育つかどうかわからないような
状態だったら、この監督は、やり直し状態の映画製作と
妻子をささえる事と両立できたんでしょうか。
この監督/女優夫婦が
そんな危険性を十分に理解した上で、撮影を実行し、
また、この撮影に関して、夫婦の足並みは揃っていたのかどうか、
どちらかが積極的で、どちらかが消極的だった場合
そこでできた、ちょっとの差が、小さな亀裂となり
何かの衝撃で、破裂したりするんじゃないかと
他人事なのに、気になっちまいましたよ。
命が生まれて来るってのは、
一種の奇跡なんです。
ありふれてたって奇跡なんです。
妊娠も、出産も。
産婦の精神的肉体的負担と、
赤ちゃんの誕生を阻止する危険要素は最小限に止めた上で
「安産で当然」のような傲慢な心を持たず
あくまでも
謙虚に
感謝の心で
新しい生命を迎えること、
無事に生まれて来た命を大切にするとともに
無事に生まれて来れなかった命とお母さんに心をよせる
それが
お産の基本じゃないでしょうか。

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